保護命令

保護命令とは

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 保護命令とは、正式には「配偶者暴力等に関する保護命令」といい、配偶者の暴力から被害者の生命・身体を守るため、裁判所が、被害者の申立てにより、一定期間、加害者を被害者から引き離すために発する命令のことをいいます。

 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」いわゆるDV防止法に基づく命令です。保護命令に違反した場合には、刑罰(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が課されます。

保護命令の種類

 保護命令には、次の4種類があり、必要に応じて選択あるいは全てを申立内容とすることができます。

①退去命令

 相手方に対し、命令の効力が生じた日から2か月間、それまで夫婦で居住していた住居から退去することを命じ、住居の付近を徘徊することを禁じる命令です。

②接近禁止命令

 相手方に対し、命令の効力が生じた日から6か月間、申立人(被害者)身辺への「つきまとい」や、申立人(被害者)の住居(避難先等)その他の場所(勤務先その他通常所在する場所)付近を徘徊することを禁じる命令です。

③子への接近禁止命令

 相手方に対し、命令の効力が生じた日から6か月間、子の身辺への「つきまとい」や子の住居(避難先等)、就学する学校その他通常所在する場所付近を徘徊することを禁じる命令です。

④親族等への接近禁止命令

 相手方に対し、命令の効力が生じた日から6か月間、指定された親族等の身辺への「つきまとい」や、同人の住居、勤務先その他通常所在する場所の徘徊を禁じる命令です。

保護命令の要件

4G2A30590001 保護命令が認められるためには、次の要件を満たす必要があります。

①配偶者から、身体に対する暴力をうけたこと。保護命令では、身体に対する暴力に限られ、言葉の暴力は含みません。

②配偶者(元配偶者を含みます)から、再び身体に対する暴力を振るわれる恐れがあり、その生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいこと。

③子への接近禁止命令を求める場合には、さらに、配偶者(元配偶者を含みます)が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があること。子供に会わせろと強要しているような場合や、保育園等の前で待ち伏せすることが予想される場合等がこれにあたります。

④親族等への接近禁止命令を求める場合には、さらに親族等の身辺につきまといや、同人の住居や勤務先その他の場所を徘徊するおそれがあること。

※以上の他、保護命令の申立てあたっては、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談や保護を求めた事実が必要とされ、通常は警察に相談しその際「配偶者からの暴力相談等対応票」を作成してもらいます。

 警察で同対応票を作成してもらったら受付番号を教えてもらっておいてください。配偶者暴力相談支援センターや警察に相談や保護を求めていない場合には、公証人の面前での宣誓供述書が必要となりますが、それはあまり利用されていません。

管轄

 保護命令の管轄裁判所は、地方裁判所です(家庭裁判所ではありません)。①相手方の住所の所在地を管轄する地方裁判所、②申立人の住所又は居所を管轄する裁判所、③暴力が行われた地を管轄する地方裁判所のいずれにも申立てができます。

申立

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 保護命令の申立ては、書面で行うことが必要です。申立書その他の記録は、相手方(配偶者)が閲覧やコピーをすることができますので、申立人が避難先等を秘匿したい場合は、従前の住所等を申立人の住所として記載するなどの注意が必要です。

 なお、裁判所には別途避難先等を教えておけば足ります、その際、裁判所には相手方に知られないよう申し伝えておきます。

 申立書には、①身体に暴力を受けた状況②再度、暴力により生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きい事情③子への接近禁止命令を得たい場合は、配偶者(元配偶者を含みます)が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情④親族等への接近禁止命令を求める場合には、親族等の身辺につきまといや、同人の住居や勤務先その他の場所を徘徊するおそれがあること⑤配偶者暴力相談支援センターや警察に保護を求めていた旨及び所定の事項を記載します。

証拠

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 申立ての際には、暴力を受けたこと等の証拠を提出する必要があります。暴力により痣など怪我をした場合、その診断書や写真があれば有力な証拠となります。

 仮に暴力の直接の証拠が無い場合でも、精神的にダウンしたりPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した場合の精神科等の診断書や暴力を受けた際の状況を詳しく記載した陳述書によっても保護命令が認められる場合がありますので、弁護士に相談してみてください。

裁判所での審尋

 申立てが裁判所に受理されると、速やかに審尋が行われます。審尋とは、裁判官と直接面談し、裁判官に具体的に事情を説明する手続きです。東京地裁や横浜地裁等多くの裁判所では、申立てた当日に審尋が行われます。ですので、裁判所には申立をする前に申立予定を連絡し、期日の調整をしておくのがよいでしょう。

 審尋が行われた後、裁判所から相手方に申立書や証拠の写し等が送付され、1週間から10日以内に相手方の審尋が行われるのが通常です。また、裁判所から、申立人が相談や保護を求めた配偶者暴力相談支援センターや警察署に、所定の書面の提出や事情・内容についての問い合わせがなされます。

保護命令の言渡し

 保護命令は、相手方が審尋期日に出頭した場合には、通常その場で言い渡され、その言渡しにより効力が生じます。相手方が審尋期日に出頭しない場合には、決定書が相手方に送達されることによって効力が生じます。

保護命令発令後の警察による保護

 裁判所から保護命令が発令されると、裁判所が、その旨と内容を申立人の住所又は居所を管轄する警察(警視総監又は道府県警察本部長)に通知します。

 所轄の警察署は、申立人と連絡を取り、警察官が申立人の自宅を訪問するなどして、緊急時の連絡体制、防犯上の注意点等の助言をしたり、その他、自宅周辺の巡回等を検討してくれます。申立人が希望すれば、一時避難中に退去命令が発令されている住居に荷物を取りに行く際に、警察官が同行してくれることもあります。

 特に、保護命令が発令されていれば、万が一の際、所轄の警察に連絡すれば、迅速に対応してもらえます。

 以上のように、保護命令が発令されると、警察の協力な保護を受けることができるほか、万が一相手方(暴力を振るう配偶者)が一度でも申立人に面談を強要したりつきまとうなどした場合、相手方は警察に即逮捕されることになりますので、保護命令は被害者にとり極めて力強い味方となります。

 配偶者ないし元配偶者から暴力を振るわれ一刻も逃げ出したい方は、是非警察及び弁護士に相談されることをお勧めします。なお、当事務所は保護命令手続きの実績が豊富ですので、迅速で適格な対応をお約束致します。


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