結婚したばかりだけど離婚したい方が注意するべき点と離婚の進め方
目次
厚生労働省の人口動態調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei18/index.html)によると、2018年における婚姻期間が1年未満の離婚件数は12327件に及んでいます。
パートナーについて婚姻生活を機に知ることも多いため、結婚したばかりの相手との離婚を考えている方も少なくないことが伺えます。
今回は結婚直後の離婚を考えている方に向け、婚姻期間が短い夫婦の特徴と早期の離婚を考えた方がいいケースについて解説し、離婚について弁護士に相談するメリットを紹介いたします。
婚姻期間が短い夫婦の特徴
結婚してすぐに離婚を考えることになる原因としては、以下の理由が考えられます。
①付き合っていた時と変わってしまった(結婚を期にパートナーからモラハラやDVを受ける等)
②パートナーの病気
③子供ができない
④子供に対する価値観・教育方針が違った
⑤パートナーの親族と折り合いが悪い
⑥浮気
パートナとの結婚生活でこうした特徴が当てはまる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
夫婦で話し合って改善が可能であるならまずは関係改善に動くべきですが、次に紹介するケースの場合、人生の貴重な時間を不満を抱えながら過ごすことがないよう早期の離婚を検討してみるべきでしょう。
その際、専門家である弁護士の協力を得ることで結婚してすぐの離婚をできるだけスムーズに進めることができます。
結婚したばかりだけど離婚したい場合に注意するべきこと
親権
結婚したばかりでも、お子さんがいらっしゃる場合には、親権者がどちらになるか決める必要があります。
親権について争いがある場合、最終的には裁判所での争いとなりますが、その際に判断要素となるのが、これまでの監護養育実績・監護養育状況及び今後の監護養育方針です。
これらの要素は、具体的かつ明確に示す必要がありますので、経験豊富な弁護士に相談し、アドバイスを受けることが重要です。
養育費
親権者となりお子さんを監護養育していく親は、非親権者に対し、お子さんの養育費を請求する権利があります。
養育費は、今後子育てに必要なお金であり、お子さんのためのお金ですので、養育費は慎重に決める必要があります。
養育費の金額は、双方の年収・お子さんの年齢人数を要素として、裁判所が公表しているいわゆる「算定表」に基づいて決めるのが一般的です。
但し、自営業者の場合や、給与所得以外にも収入がある場合には年収を幾らにするか問題となり、婚外子(前の夫や妻との間に未成年の子がいる場合等)がおり算定表をそのまま適用することができない場合があります。
また、養育費をいつまで支払ってもらうかも決める必要があります。
よって、養育費についても、実際に裁判所ではどのような運用になっているか知識経験豊富な弁護士に相談し、アドバイスを受けることが重要です。
面会交流
離婚後お子さんと離れて暮らすことになる親とお子さんが会ったり、電話で話をしたり、手紙を交換したりすることを面会交流と言います。
面会交流の頻度や内容方法について争いが生じそうであれば、適切な内容とし今後争いが生じないよう書面で取り決めて置く必要があります。
特に、離婚原因がモラハラや家庭内暴力である場合には、離婚後の面会交流の方法も第三者機関の利用を検討する等特別な対応を要することになります。
このような場合、面会交流の現実や裁判所での一般的運用に精通した弁護士に相談しアドバイスを受けることが重要です。
財産分与
結婚したばかりで離婚を考える場合でも離婚に伴う財産分与は注意を要します。
結婚したばかりの場合、結婚後の給与等を蓄えた預貯金や資産(生命保険、自宅)が少ないことが多いですが、それでも公正な分与を求めることは重要です。
財産分与では、主に以下の点に注意する必要があります。
財産分与の注意点
まず、財産分与の対象となるべき財産の特定と財産の評価を正確に行うことが重要です。
対象となるべき財産の特定、財産の権利関係及び価値を正確に把握し、公正な分与を求めるためには、専門家の助言を仰ぐことをおすすめします。
それらを怠ると、不当な財産分与になってしまう可能性があります。
また、財産の分与に関する契約書や合意書を作成する際にも注意が必要です。
契約書や合意書は、将来のトラブルを回避するために重要な役割を果たします。
公正な財産分与の内容や条件を明確に示し、双方が納得した上で署名をすることで、後々のトラブルを防ぐことができます。
内容によっては、公正証書を作成しておいた方が良い場合があります。
財産分与については、法的に複雑の問題も生じる場合がありますので、離婚に伴う財産分与について精通した弁護士に相談し問題点を把握しそのアドバイスを求めることが肝要です。
慰謝料
相手方の不貞行為やモラハラ・家庭内暴力が原因で離婚する場合、相手方に慰謝料を求めることができる場合があります。
但し、慰謝料を請求する場合、その根拠となる事実を裏付ける証拠としてどのような物が必要か、慰謝料として請求できる金額を予め把握しておく必要があります。
その点で、慰謝料請求の現実や裁判所での一般的運用に精通した弁護士に相談しアドバイスを受けることが肝要です。
まとめ
適切な内容でなるべく早く離婚を実現させるために、離婚する際に取り決めておくべき上記の条件について、正確な事実関係を把握したうえで、法的に請求できる権利内容及び争いとなった場合に必要な証拠や裁判所の考え方についての知識が必要となります。
そこで、それらの知見に優れた経験豊富な弁護士の助言を仰ぐことが重要です。
弁護士に相談した方がいいケース
・相手と直接話したくない、話すのが怖い
結婚後に相手方の思わぬ一面を知った場合、混乱や不安を感じることは当然です。
さらに、相手方からモラルハラスメントやDVといった肉体的・精神的な被害を受けている場合、早期に離婚することも賢明な選択肢と言えます。
直接的あるいは言葉による暴力を受けている場合、当事者間での対等な話し合いを行うことはできないといって良いでしょう。
そのようなケースでは、「相手から離婚を認めて貰えない」、「離婚の条件を話し合う際に反論できずに一方的な要求を認めさせられる」といったことが考えられます。
こうした場合には、自分だけで解決しようとせずに専門家である弁護士を頼るべきです。
・感情的になり話し合いにならない
金銭面や子どもなどに対する価値観・教育方針が異なるため、当事者同士では冷静な話し合いができない場合には、弁護士に代理人として離婚の手続きを進めて貰うことが有効です。
また、感情に任せて離婚を急ぐあまり養育費、財産分与といった離婚条件を十分に議論しなかったせいで、離婚後まで後悔や思わぬトラブルを引きずってしまうことを避けられます。
結婚直後の離婚を考える場合は、多くの葛藤や不安があって当然です。そこで安易な離婚条件への合意、あるいは、そもそも離婚に動けずに自分を苦しめることが無いよう、弁護士に相談するという道を検討してみてください。
離婚についての話し合いで弁護士に依頼するメリット
弁護士に離婚の協議を依頼することのメリットとして、
(1)交渉のプロである弁護士に、離婚条件の交渉を任せられる
(2)離婚条件を法的拘束力を持った書面にまとめることができる
が挙げられます。
離婚条件の話し合いでは、納得できない要求に対して妥協せずに断ることが重要です。
後になって後悔することが無いように自分の要求を通して、公平な条件で合意を行うためにも交渉のプロである弁護士に依頼することが賢明といえるでしょう。
その際、離婚を専門とした弁護士に依頼をすることで公平・適正な離婚の手続きを進めることが可能となります。
結婚直後の離婚であれば早期に離婚を成立させることで、問題のある結婚生活からの被害を最小限に抑えられるだけでなく離婚後の生活や再婚といったその後の人生への前向きな一歩を進めることができるといえるでしょう。
弁護士に依頼するもう一つのメリットとして、協議によって決まった離婚条件を文書として残す際に法的な助言を得られる点です。
夫婦間の話し合いで取り決めた内容を「公正証書」として文書の形で残し、不履行時には「強制執行」が可能となる様に文言を入れておくことで、離婚後に相手方が養育費、慰謝料等金銭の支払いを拒んだ場合に裁判を起こすことなく相手の財産を差し押さえて支払いを受けられるようになります。
離婚後のトラブルを避けるためにも、弁護士のアドバイスの元で公正証書の作成を行うことが大切です。
最後に
結婚直後に離婚を検討する場合、価値観の違いや相手方の不倫や暴力といった重大性・緊急性の高い理由にお悩みの方が多い傾向にあります。
離婚原因が深刻なテーマであることからも、1人で解決しようとせずに離婚問題に精通した弁護士を頼ることが大切です。
弁護士による協力の元、離婚成立に向けて行動することは新しい生活への第一歩になります。
結婚してすぐに相手との離婚を考えている方は、是非弁護士にご相談ください。
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