離婚調停が不成立になったものの、その後協議で成立した事例
依頼者
【属性】(ご依頼者)女性 40代後半 職業 会社員
(相手方) 男性 50代前半 職業 会社員
【未成年の子ども】有
【同居・別居】相談時同居、のち別居
【解決までに掛かった期間】2年3カ月
【解決手段】調停(期日の回数:13回)、協議
【相手方の弁護士の有無】有
【依頼のきっかけ】
依頼者は、相手方の不貞や暴力及びモラルハラスメント、お子さんへの態度が原因で離婚を希望していた。
相手方の不貞に関しては、既に探偵に依頼し証拠を揃えていた。
【弁護士の対応及び結果】
1.依頼者から聴取した経緯及び相手方の態度から相手方が協議に応じる様子はなさそうであったので、速やかに相手方に受任通知を送り、婚姻費用の支払いを求めると共に、離婚調停及び婚姻費用調停を申立てる予告を行い、その後離婚調停と婚姻費用分担請求調停を申し立てた。
2.婚姻費用については、期日を5回要したが成立に至った。
離婚調停については、離婚をする事、養育費(但し、私学加算額について争いあり)及び慰謝料の支払いについてまでは大凡の合意を取り付けたが、財産分与に関し、オーバーローン状態の住宅ローンについての依頼者の連帯保証を外す事が困難だったこと、依頼者が支払っている自宅のリフォームローンを相手方に支払うことに相手方が難色を示したため、期日を重ねたものの調停は不成立となった。
3.調停が不成立に終わった後、提訴を検討したが、依頼者が熟慮の結果、既に13回も期日を重ねたうえ調停が不成立になっており、これから訴訟に持ち込んで、更に時間を要するより、条件を低くしてでも、早期に離婚をしたいとの結論に至ったため、当方は、養育費に関しての私学加算額を具体的に提示し強く要求する一方で依頼者の連帯保証を外す件とリフォームローンの支払いについては、譲歩する案を相手方弁護士に提示し、最終的には、相手方の合意を得て協議離婚が成立した。
【解決のポイント】
自宅不動産がオーバーローン状態であり、自宅を売却処分するにしても、残債を一括返済乃至ローン借り換えができない場合、当該不動産に係る依頼者の連帯保証を外すことは、現実的に非常に困難である。
これは、訴訟においても解決できるものではない。
そこで、本件では、苦渋の選択ではあるが、依頼者の連帯保証は外さないまま(即ち、離婚後、夫が当該ローンを滞ることなく返済することを信用し)、離婚及び養育費(但し、私学加算を認めさせる)の決着を優先し協議で離婚を成立させた。
尚、慰謝料については、当方の請求額とおり決着した。
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当事務所では、離婚が成立しさえすればよいというのではなく、依頼された方の離婚後の生活がよりよいものになるように、常にそれを見据えながら離婚案件の処理を進めます。
ご相談される方の話を丁寧に聴いて状況を正確に把握したうえで、離婚原因の問題、お金の問題、子どもの問題、それら問題ごとにご相談される方の置かれた状況を整理し、将来も 見据えたBestな解決策を示します。