相手が離婚に応じてくれない理由と対処法について弁護士が解説!
目次
あなたが離婚したいと切に願っていても、相手が離婚に応じてくれず話合いが進まない方が多くいらっしゃいます。
このような場合、どのように対処するべきかは、
貴方が離婚を求める理由と相手が離婚に応じない理由により対処の仕方が異なってきます。
1.貴方が離婚を求める理由
(1)相手が不貞行為者である場合(相手が不倫をしている場合)
①相手が不貞行為を認めている場合
貴方が希望する離婚条件も含めて相手が応じない場合には、弁護士に離婚協議の代理の依頼又は調停申立(ご自身で申立をするか弁護士に依頼するか)を検討して下さい。
②相手が不貞行為を否定している場合
貴方が相手の不貞行為の事実についての証拠を持っているか、どのような証拠があるかによって対処方法が異なってきます。
十分な証拠を持っている場合には、上記①のとおりとなりますが、証拠が無い場合や不十分な場合には、後述の「相手が離婚に応じない理由とその対処方法」をお読みください。
お手持ちの証拠が十分な証拠と言えるかどうかは弁護士にご相談下さい。
③貴方が相手の不貞事実について知っていることを相手が知らない場合
貴方が有力な証拠を未だ取得していない場合や証拠として十分なものを有しているか分からない場合には、相手に不貞事実を指摘せずに暫く泳がせて証拠を掴む必要がある場合があります。
場合によっては、不貞事実以外の離婚理由を検討する必要もあります。慎重な対応が必要ですので、先ずは弁護士にご相談下さい。
(2)相手からの暴力(DV)
相手と話し合いをすることは不可能です。
離婚を切り出すこと自体、相手から暴力を受ける恐れがありますし、相手に知られずに別居や離婚手続きを取り進める必要があります。
別居及びその後の取り進め方を含めて速やかに弁護士に対象方法を相談してください。
>>DVについて
(3)相手からの精神的虐待(モラハラ)
貴方が相手から受けている暴言や態度によって如何に苦しんでいるのか、相手の暴言や態度によって、これ以上同居・夫婦関係を続けることが不可能であることを相手に説明する必要があります。
しかしながら、そのような相手と冷静に話合いをすることは難しいでしょうし、そもそも相手は聞く耳を持たない場合が多いと思われます。
このような場合には、弁護士に離婚協議の代理の依頼又は調停申立(ご自身で申立をするか弁護士に依頼するか)を検討して下さい。
>>モラハラについて
(4)その他の理由(性格の不一致。相手の両親の不和。家族を顧みない。子どもへの虐待。セックスレス。多額の借金。ギャンブル等)
相手が離婚に応じない理由によりますので、以下「相手が離婚に応じない理由とその対処方法」をお読みください。
2.相手が離婚に応じない理由とその対処方法
(1)相手が離婚に応じない理由
様々な理由がありますが、よくある理由は次のとおりです。
①貴方への愛情を捨てきれないから。
②まだやり直せると思っている。
③離婚理由が分からないから。
④貴方が離婚した後再婚することが許せない。
⑤プライドが許さない。世間体がある。
⑥子どもの心配
⑦離婚後の生活の不安
(2)対処方法
「①貴方への愛情を捨てきれないから」と「②まだやり直せると思っている」の場合
先ずは丁寧に「相手への愛情はいつから無くなったのか。それは何故か。今は全く愛情が無い事。愛情は絶対に戻らないこと。」を説明し、これ以上「形だけの夫婦関係」を続けても意味がないこと、むしろ各々新しい生活を始めることが双方の幸せになることを理解してもらうよう試みることになります。
それでも埒が開かない場合には、先ずは別居を開始し距離を置く必要があります。(別居をご検討されている方はこちら>>)
離婚調停の申立も考えると良いでしょう。
少なくとも、そのまま同居を続けていれば、いつまでも状況は変わらず離婚の実現が遅れることになります。
別居を続ければ、相手もあきらめがついてくる場合もあるでしょうし、別居期間が長期に及べば離婚裁判においても「客観的に夫婦関係が破綻しており、婚姻の本質に応じた共同生活の回復は見込めない」と判断され離婚が認められることになります(裁判で長期の別居が離婚理由として認められる期間は3年~5年。その他の事情を併せて最低でも2年は必要です)。
「③離婚理由が分からないから」の場合
先ずは貴方が離婚したい理由を冷静かつ丁寧に説明し、これ以上夫婦関係を継続することができないことを理解して貰う必要があります。
「④貴方が離婚した後再婚することが許せない」と「⑤プライドが許さない・世間体がある」の場合
貴方が既に十分に離婚したい理由や夫婦関係を継続する意味がないことを説明したにも関わらず、相手がそのような理由で離婚に応じなければ、それ以上当事者間で話し合いを進めても埒が開かない場合が多いと思われます。
このような場合は、離婚調停を申し立てることを検討して下さい。特に貴方が妻で相手が夫の場合には、婚姻費用の請求を求める調停も併せて申立てることで経済的に離婚に応じることが得策であることを相手に理解させることが有益な場合があります。
「⑥子どもの心配」と「⑦離婚後の生活の不安」の場合
相手が妻の場合が多いですが、この場合は、養育費や財産分与でいくら支払い、その結果離婚後も生活が可能であることを丁寧に説明し相手の不安を解消してあげる必要があります。
その不安を解消してあげることができれば離婚に応じてくれる可能性は高まります。
どの程度養育費や財産分与として支払うことが適当かは、事案によって様々ですので、弁護士にご相談下さい。
さいごに
最後に、家計の収入の多くが相手の収入によっている場合(典型例は、貴方が主婦で相手が仕事をしている場合)は、上記いずれのケースでも当てはまる有益な方法があります。
それは、別居して婚姻費用の請求を行うことです。
婚姻費用とは、夫婦間に収入の格差がある場合、収入がある配偶者乃至は収入が多い配偶者は収入の無い或いは収入の少ない配偶者に対して、夫婦の生活水準が同程度になるよう一定の金額を支払なければならないというものです。
相手が離婚に応じない場合、特に相手が離婚に応じない理由が①~⑤のような場合には、別居すると共に婚姻費用を請求することが有益です。
私の実務経験上、現段階では離婚に応じない相手でも、別居により実質的に夫婦関係が形骸化しているにも関わらず、毎月婚姻費用を支払うことが徐々に負担となり馬鹿らしく思えてきて離婚に応じてくるケースがよく見受けられます。婚姻費用の金額は、裁判所がインターネット上でも公表している算定表が基準となります。
ここで注意点があります。婚姻費用の請求は別居後速やかに行いますが、相手が婚姻費用を支払ってくれない場合、或いは、相手が支払う金額が少ない場合は、速やかに婚姻費用分担請求の調停を申し立ててください。婚姻費用について、最終的に調停又は審判でその金額が決定した場合、それまで支払われていない或いは不足している金額について、いつの時点からの分について相手に支払い義務があるかと言えば、調停を申し立てた時点となるからです。別居時からではありません。
従って、調停を申し立てるのが遅くなれば、その分相手から取得できる婚姻費用が少なくなります。別居して相手が適切な金額の婚姻費用を支払わない場合には、速やかに婚姻費用分担請求の調停を申し立ててください。
>>婚姻費用について
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