モラハラ夫と離婚するには?離婚に進む対処法と必要な証拠について弁護士が解説!
モラハラ夫と離婚をするには、多大な時間と労力が必要になります。
どのようなことか、以下説明します。
貴方がモラハラ夫と離婚することを決意し、勇気を出して、離婚をしたいと切り出したとします。そこで、モラハラ夫はどのような態度をとるでしょう。
ほぼ間違いなく、仮に浮気していたとしても「浮気させるようなお前が悪い」とか、「俺をイライラさせるお前が悪いんだ」などと、責任を転嫁したり、貴方の指摘が的を射ていた場合には、「誰のおかげで飯が食えていると思っているのだ!」とか話をすり替えたり「お前みたいなダメ女は、俺と別れたら野垂れ死にだぞ」などと暴言を吐き、決して自分の非を認めません。
中にはモラハラ夫でも、離婚それ自体については応じる者もいます。しかし、そのようなモラハラ夫でもお金が絡む話(財産分与や慰謝料、子供がいる場合には養育費)になれば、決して自分の非を認めないのがモラハラ夫ですから、話し合いはほぼ無理でしょう。
お金のことを決めておかなければ、離婚した場合に困るのは妻である貴方です。決してお金のことをきちんと決めずに離婚だけしてはいけません。
このようにして、貴方からの別れ話に対しては、自分に都合の悪い話をさけたり、暴言を吐くことにより、貴方を混乱・疲弊させます。あるいは、暴言を吐いたと思ったら、優しい言葉をかけたり、あの手この手で貴方を言いくるめてきます。
せっかく貴方が勇気をもって別れ話をしようとしていても、途中からモラハラ夫の言われるままに、疲れ果ててしまい、当初の気力も失せ無気力状態になってしまうか、あるいは「私が悪かったんだ」「私が間違っていたかもしれない」と思ってしまうようになります。
モラハラ夫と離婚できない状況から抜け出すためには
まずは、別居をお勧めします
別居をして、モラハラ夫からの支配から抜け出す必要があります。
注意しなければならないのは、別居をすると、夫から「自分が悪かった。反省しているから戻ってきて欲しい」と言われることもしばしばありますが、戻ってしまうと、しばらくしたらまた元の状態に戻ってしまうことが大半ですので、戻ってはいけません。
別居後の調停について
別居をしたら、多くの場合、調停を行うことになります。
モラハラ夫は、周囲に自分の良さをアピールすることに優れていますので、調停委員に対しても好印象を与えることが多いようです。調停委員の中には、モラルハラスメントについて正しく理解をしていない方もおり、夫の味方として、あなたを説得に掛かってくる可能性があります。
ですので、モラハラ夫と離婚するには、あなた自身が相手と直接接触をしないですむよう、夫と関係のない信頼できる第三者に相談するのが適切です。また、第三者としては、離婚問題を積極的に扱う弁護士に依頼をするのが良いでしょう。
弁護士は交渉のプロとして、あらゆる場面を経験していますし、交渉を有利に進めるためのテクニックも熟知しています。また、モラハラ夫は権威に弱い傾向にあり、弁護士にものを言われると、あまり言い返してこない方も多く存在します。
特に調停では、モラハラ夫の見た目や外面の良さに騙され、夫の味方をする調停委員もいますので、調停をする際には、特に弁護士に依頼することをお勧めします。
モラハラで離婚する時に必要な証拠
モラハラ夫と離婚する際には、証拠が必要となります。
証拠を持つことで、あなたの主張を裏付けることができ、離婚手続きをスムーズに進めることができます。
モラハラの証拠として必要なものはいくつかあります。
まずは、モラハラ行為が行われた具体的な場所や日時、そして詳細な内容をメモしておくことが重要です。
また、モラハラ夫からの脅迫や暴力行為を示す写真やビデオがあれば、それも有効な証拠となります。
なお、現在は、スマートフォン等にメモされる方が多いのですが、そのような電子的記録だと、記録した日時が本当にそのとおりであるのか(まとめて作成したものではないか)疑われたりする他、手帳等への直筆と異なり、筆跡等から読み取れるリアルな精神状況・感情が記録されませんので、やはり紙の日記や手帳等に直筆で記録されることをお勧めします。
さらに、モラハラ夫からの嫌がらせや侮辱的なメッセージやメール、SNSのやりとりを保存しておくことも重要です。
これらのコミュニケーションの内容や形式によっては、モラハラ行為を立証する証拠となります。
離婚手続きを進める際には、上記の証拠の他にも、目撃者の証言や医師の診断書も役立つことがあります。
モラハラによって心身の健康に影響が出ている場合、医師の診断書を提出することで、モラハラを原因とする離婚の根拠となり得ます。
離婚に関する証拠を集める際には、日付や詳細な内容を忘れずにメモすることが大切です。
証拠があることで、あなたの主張を裏付けることができ、より確実にモラハラ離婚を進めることができます。
モラハラ夫との離婚手続きは大変なものですが、証拠を集めることであなたの権利を守ることができます。
弁護士のサポートを受けながら、正当な手続きを進めていきましょう。
証拠がない場合はどうすればいい?
証拠がないからといって離婚ができないわけではありません。
モラハラする配偶者と離婚を考える場合、証拠がないときでも以下の方法により離婚できるかもしれません。
➀相手の同意を得て離婚する(協議離婚)
モラハラを理由に離婚したい場合は、相手の同意を得て離婚することが最も簡単な方法です。
ただし、モラハラを受けている場合、相手方への恐怖感や誘導によって離婚の話し合いが上手く進まないこともあります。
そのため、離婚協議を行う際には、夫婦だけではなく、信頼できる第三者に立ち会ってもらったり(但し、弁護士は基本的に話し合いの立会は行わないのが通常です)、弁護士に貴方の代理人として話し合いを代行してもらったりする方が良いでしょう。
信頼できる方でも、離婚の話し合いには慣れていることはまれだと思いますので、モラハラを含めて離婚について詳しく知っている経験豊富な弁護士に相談することをお勧めします。
②裁判所に離婚調停を申し立てて離婚する(調停離婚)
モラハラで離婚したい場合、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停(離婚)」を申し立てましょう。
離婚調停は、男女の仲裁役となる調停委員を交え、離婚について話し合う方法です。
離婚裁判とは異なり、調停では法律上の離婚事由は必須ではありません。
調停では、調停委員を味方につけることが非常に重要です。
ただ、「離婚したい」と感情的に言うだけでは、逆に良くない印象を与えてしまうことがあります。
モラハラで証拠がない場合でも、論理的に実際にモラハラがあったかどうかを説明し、調停委員に納得してもらうことが大切です。
日記やメモを取っている場合は、それを元にどのようなモラハラ行為を受けたかを具体的に伝えましょう。
メモや日記に記載されている、いつどのようなモラハラ行為を受けたかや、モラハラ発言が含まれるメールやLINEなどのSNSは証拠として認められる場合があります。
また、音声データがなくても、調停を有利に進めることができるケースもありますので、可能な限り証拠を集めましょう。
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