自営業者の夫の年収を適切に算出した事例・子どもが私立学校に通っている場合に算定表上の婚姻費用に私学加算できた事例
依頼者
【属性】(ご依頼者)女性 40代中半 職業 無職
(相手方) 男性 50代前半 職業 会社経営
【未成年の子ども】一人
【同居・別居】別居
【解決までに掛かった期間】10カ月
【解決手段】調停(期日の回数:6回)
【相手方の弁護士の有無】有
【依頼のきっかけ】
依頼者は、別居中の夫から離婚調停を申立てられたため、その対応を当職にご依頼された。
【弁護士の対応及び結果】
1.依頼者から聞き取った夫の大凡の年収を前提にすると、別居後夫から受領している婚姻費用額が算定表上の婚姻費用に満たないことが判明した。
2.更に、お子さんが私立の小学校に通っているとのことであった。
3.そこで、当方は、夫から申立らえた離婚調停に対応すると共に、婚姻費用分担請求調停を申立てた。
4.婚姻費用調停において、当方は、次の対応を行った
①自営業である夫の正確な年収を確定するために、直近の確定申告書の開示を求め、夫から提出された確定申告書から婚姻費用算定の基礎となる夫の年収を算出したうえで、算定表上の婚姻費用額を算出した。(⇒詳しくは、「自営業者の収入(婚姻費用)」をお読み下さい。)
②私立学校の学費(115万円弱)と算定表上の婚姻費用に折込済みの標準的な教育費との差額を算出し、夫が負担すべき私立学校の学費を算出した。
③上記①の算定表上の婚姻費用額に②の夫が負担すべき私立学校の学費を加算した金額を夫が支払うべき婚姻費用として主張した。(⇒詳しくは、「お子さんが私立学校に通っている方へ~婚姻費用・養育費について解説~」をお読み下さい。)
④上記の結果、算定表上の婚姻費用額に私立学校の学費のうち夫が負担すべき金額を加算した金額を夫が支払うべき婚姻費用として調停が成立した。
【解決のポイント】
①自営業者の年収は、一般的に確定申告書から算出するが、その算出にあたっては、控除すべき項目を適切に見極め算出する必要がある。(⇒詳しくは、「自営業者の収入(婚姻費用)」をお読み下さい。)
②算定表上の婚姻費用には、公立の学校の学費は織り込み済みであるが、私立の学校の学費まではカバーされていない。よって、子供が私立学校に通っている場合、子供と同居する親は、算定表上の婚姻費用に折込済みの教育費と子供が通学している私立学校の学費との差額のうち夫が負担すべき金額を加算して請求することができる。具体的な算定に算定にあたっては、一定の算定方法があるので、離婚事件に精通した弁護士に相談されることをお勧めする。
⇒詳しくは、「お子さんが私立学校に通っている方へ~婚姻費用・養育費について解説~」をお読み下さい。)
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当事務所では、離婚が成立しさえすればよいというのではなく、依頼された方の離婚後の生活がよりよいものになるように、常にそれを見据えながら離婚案件の処理を進めます。
ご相談される方の話を丁寧に聴いて状況を正確に把握したうえで、離婚原因の問題、お金の問題、子どもの問題、それら問題ごとにご相談される方の置かれた状況を整理し、将来も 見据えたBestな解決策を示します。