Q.離婚の調停とは、どのように行われるのでしょうか?
離婚の調停は、月1回のペースで行われます。
申立人が離婚調停の申立書類を家庭裁判所に提出し、裁判所が受付をしてから、約1週間から2週間後に、第1回目の調停の期日の書かれた呼出状が届きます。
第1回目の調停期日は、通常は申立てから約1か月から1か月半後に指定されます(裁判所が混んでいる場合には、2~3か月後になる場合もあります)。
裁判所は、土日祝祭日は閉所していますので、調停も平日のみ行われます。
原則として、本人の出席が求められます。急な出張やお葬式の出席、病気等で都合が付かない場合には、期日の変更を申請できますが、必ずしも裁判所が応じてくれるとは限りません。お仕事がある場合には、早めに休暇申請をしておいたり、調停のため月1回のペースで休むことを職場に伝えておいた方がよいでしょう。
調停の進み方
調停は、裁判官と民間人である調停委員(多くは、弁護士等法律家以外の方です)からなる2名(男女1名づつ)からなる調停委員会によって進められます。もっとも裁判官は、調停が成立する際や不成立になる際に出てくるだけで、それまでは調停委員と話すことになります。
第1回目の調停に出頭した際は、申立人、相手方、別々に指定のあった待合室で待機することになります。指定時刻になったら、調停委員が待合室に呼びに来ます。その際に、最初に行われる調停についての説明の際に、相手と同席しても構わないか、別々かよいか聞かれる場合があります。その場合、相手とは顔を合わせたくなければ、遠慮なく別々がよいと答えてください。
調停室に入室すると、最初に調停委員から調停についての説明があり、その後具体的な話しをしていくことになります。
調停では、夫婦の一方が調停室で話をしている間、他方は待合室で待機するため、互いに顔を合わせることはありません。
また裁判所からの帰りが相手と一緒になることが嫌な場合には、予め調停委員に伝えれば、帰りに時間が双方重ならないよう配慮をしてもらえます。
調停の成立
離婚の調停は、早い場合は3回ほど、通常は5~6回は行われます。調停での話し合いの結果、離婚の合意(及びそれに伴う諸条件)に至れば、裁判所が「調停調書」を作成します。調停調書が作成される場合、調停調書の内容を裁判官が読み上げますので、聞き漏らさないようしっかり内容を確認してください。合意の内容と異なることや間違いがあれば、訂正してもらってください。但し、これまでの合意と異なる内容への変更や追加はできません。
裁判官から「この内容で間違いはありませんね。よいですね。」と確認を求められ、いったん「よいです(OKです)」と確認をしたら、以後の訂正はできませんので十分注意してください。双方が確認を行った時点で、離婚が成立します。その後、離婚届けを役所に提出する必要がありますが、それは戸籍処理手続きに過ぎず、離婚自体は調停調書の双方確認をもって成立します。
調停の不成立(不調)
離婚の合意に至った場合には、上記のとおり調停調書が作成されますが、夫婦のどちらかが出席を拒否した場合や、「これ以上調停を続けても合意の見込みがない」と調停委員会が判断した場合、「調停不成立」とされ、調停が終了します。この判断に対しては、不服申立はできません。
調停が不成立となった場合、その後はどうしたらよいのか
調停が不成立となった場合、その後の対応は、次の4つから選択することになります。
①もう一度、夫婦で協議する。
②離婚裁判(訴訟)を起こす。
③離婚をあきらめる。
④再度調停を申立てる。
再度調停を申し立てると言うと意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、再度夫婦で話し合いをすることは難しいが、だからといって、まだ裁判(訴訟)まではしたくないと考えている場合、再度調停を申立ててみるのも一つの方法です。
また、調停が不成立になる前に、いったん調停を取り下げて、機会を見てもう一度調停を申立てるのも可能です(調停の取り下げはいつでも一方的に行えますが、調停を申立てられた側は、取下げることはできません)。調停委員が替われば、新たな妥協点が見出せるかもしれません。
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