Q.財産分与で実家からの住宅資金援助はどう考える?
質問
私は、離婚を考えている専業主婦です。15年前に夫名義で5000万円のマンションを購入し夫婦で暮らしています。購入にあたっては、私の実家から1000万円の援助を受け、これを頭金にして、残額を住宅ローンで分割払いをしています。
いくつかの不動産屋さんにマンションの時価を見積もってもらったところ、3000万円でした。ローンは1000万円残っています。他に財産分与の対象となるような財産が無い場合、私が分与してもらえる額はどのように考えればよいのでしょうか。
回答
まず、現在のマンションの時価からローン残高を差し引いた額である2000万円(=3000万円-1000万円)が財産分与の対象額となります。
そこで、実務上の原則である財産分与の2分の1ルール(夫婦が婚姻中に取得した財産は、原則として夫婦が協力して形成したものであり、形成についての寄与度は平等である。したがって、夫婦は、婚姻後、形成した財産に対して相互に2分の1の権利を有するという原則)によれば、夫と妻が各々1000万円を取得することになります。
但し、このケースでは、妻の実家から1000万円の援助を得ていますので、これを妻に対する実家からの贈与とみて、その分、妻がマンションの財産形成に寄与したと考えることができます。すなわち、マンションの購入代金5000万円のうち、妻だけの働きで1000万円を負担したので、マンションの時価の5分の1相当額の形成に寄与したと考えます。
とすれば、
財産分与の対象額2000万円の5分の1は、妻の寄与により形成されたことになりますから、これを控除した残額に2分の1ルールを適用することになります。
つまり、(2000万円×5分の4÷2)+(2000万円×5分の1)=1200万円が妻に対する分与額となります。したがって、貴方は財産分与額として1200万円を主張することができます。
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