Q.夫に前妻との子がいる場合の養育費算定方法はどうなりますか?
質問
夫に前妻との子がおり、夫は前妻との子の養育費を支払っています。この場合、私の子の養育費はどのようになりますか?
回答
算定表は、義務者の子は権利者と義務者間の子のみである場合を想定しているので、義務者に前妻との間の子がいる場合や、別居後に認知した子どもがいるような場合には、「算定表」を用いて養育費の金額を算定することができません。このように「算定表」を使用することが出来ない場合には、「標準算定方式」によって養育費の金額で算出することになります。
義務者が前妻に支払っている養育費が具体的に確認できる場合には、義務者の基礎収入から当該養育費額を控除した額を義務者の基礎収入(便宜上「修正基礎収入」と言います)として、標準算式により算出する方法があります。
<STEP1>義務者の修正基礎収入を計算します。
義務者の修正基礎収入=年収×基礎年収割合-前妻の子の養育費(年額)
<STEP2>夫婦間の子の生活費を計算します。
=義務者の修正基礎収入×夫婦間の子の生活費指数÷(義務者の生活費指数+夫婦間の生活費指数)
<STEP3>義務者が分担すべき養育費の金額(月額)を算出します。
=夫婦間の子の生活費×義務者の修正基礎収入÷(義務者の修正基礎収入+権利者の基礎収入)÷12
具体例
夫(義務者):会社員 年収800万円
妻(権利者):パート 年収120万円
夫婦間の子(妻が監護する子):第1子8歳、第2子3歳
この例で夫が前妻に月額8万円の養育費を支払っている場合、夫が妻に支払うべき養育費は、次のとおりになります。
<STEP1>義務者である夫の修正基礎収入を計算します。
夫の基礎収入=夫の年収×基礎収入割合(※養育費の算定方法をご参照下さい)
=800万円×40%=320万円
夫の修正基礎収入=夫の基礎収入-前妻との子の養育費(年額)
=320万円-(8万円×12)=224万円
<STEP2>夫婦間の子の生活費を計算します。
夫の修正基礎収入×夫婦間の子の生活費指数 /(夫の生活費指数+夫婦間の子の生活費指数)
=224万円×(62+62)/ (100+62+62)=124万円
<STEP3>夫が負担すべき養育費の金額(月額)を算出します。
夫婦間の子の生活費×夫の修正基礎収入 /(夫の修正基礎収入+妻の基礎収入)÷12
=124万円×224万円 /(224万円+55万2000円)÷12
=8万2904円≒8万3000円
(※妻の基礎収入は120万円×46%=55万2000円です。)
以上のとおり、本事例で夫が支払うべき養育費月額は8万3000円となります。
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