DV夫から親権と財産分与を獲得した事例
【属性】(ご依頼者)女性 30代 職業 会社員
(相手方) 男性 30代 職業 会社員
【未成年の子ども】長女11歳
【同居・別居】別居後5か月(相談時)
【解決までに掛かった期間】20か月
【解決手段】夫婦関係調整(離婚)調停、婚姻費用分担請求調停、面会交流調停(但し、相手方申立)
【依頼のきっかけ】
依頼者は、結婚当初から、申立人から殴る・蹴る等の家庭内暴力及び暴言に苦しみ、5ヵ月前に子を連れて実家に戻り別居を開始した。
相手方は別居後も、依頼者に対し、執拗に電話やメールで脅迫的な発言を繰り返していた。
そのため、依頼者は、離婚を決意し、相手方と喫茶店で離婚の話し合いを試みたが相手方が激怒し冷静に話合いをすることはできなかった。
このような状況で、依頼者は自身だけで相手方と話合いを行うことは無理だと判断し、当職事務所を訪れた。
【弁護士の対応】
依頼者から詳細な聞き取りをしたところ、相手方との協議は不可能であると判断し、速やかに離婚調停を申し立てることにし、相手方には、離婚調停申立の予告と依頼者への接触拒絶及び警告を内容とする受任通知書を送付した。
また、相手方から婚姻費用の支払いもなされていなかったため、離婚調停と共に婚姻費用分担請求調停も申立てた。
当方から離婚調停及び婚姻費用分担請求の調停を申し立てたところ、相手方にも弁護士が付き、相手方から面会交流調停の申立がなされ、それら3つの調停が同時に行われることとなった。
調停当初、相手方は離婚を拒否していたが、途中から離婚自体には応じたが親権を主張し始めた。そのため、本調停では、以下の点が争点となった。
①婚姻費用
②面会交流
③親権
④養育費
⑤財産分与
【結果】
①婚姻費用については、相手方が算定表に基づいた相当額と申立後の未払い金を支払う内容で調停が成立した。
②面会交流については、当方が、これまでの相手方の子に対する言動や子が相手方との直接交流を拒絶していること等から間接交流にとどめるべき旨主張し、家裁調査官の調査が実施されたところ、裁判所も当方の主張とおり間接交流にとどめるべきとの判断をしたことから間接交流を内容とする調停が成立した。
③親権についても、調査官調査の結果を受け、親権を母である依頼者とすることになった。
④養育費については、相手方が算定表に基づいた相当額を20歳まで支払うこととなった。
⑤財産分与については、私学に通う子の学費負担も含める内容とし、相手方が合計1940万円を財産分与として依頼者に支払う内容で調停が成立した。
【解決のポイント】
本件は、面会交流・親権という子に係る問題で主張が対立し、家裁調査官の調査が実施されたこともあり、また財産分与においても、財産が多岐に渡り、特に自宅不動産の評価等についても意見が複雑に対立したため、調停成立までに11回の期日を要した。
このようなケースにおいては、調停委員の関与のみでは論点整理及び確証の提出が難しく、手続の進行が滞る場合がある。
本件でも仮に当事者だけで調停を行っていれば、もっと長期間に及ぶか途中で不成立になった可能性が高いと思われる。
そのため、面会交流・親権といった子に係る問題で双方の主張が対立している場合や、財産分与の対象が複雑多岐に渡る場合には、離婚案件に精通した弁護士の起用を考えることが相当である。
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ご相談される方の話を丁寧に聴いて状況を正確に把握したうえで、離婚原因の問題、お金の問題、子どもの問題、それら問題ごとにご相談される方の置かれた状況を整理し、将来も 見据えたBestな解決策を示します。