調停離婚を申し立てることで相手方の財産を明らかにし、適正な財産分与を行うことができた事例
【属性】(ご依頼者)女性 40代 職業 パート
(相手方)男性 50代後半 職業 会社員
【未成年の子ども】0人
【同居・別居】別居
【財産】自宅不動産
【解決までに掛かった期間】約2年
【解決手段】協議・調停 期日の回数:6回
【依頼のきっかけ】
依頼者は、5年程前から相手方に無視されるようになり、3年前夕飯について相手方に尋ねたところ、相手方から突然「俺に一切構うんじゃねえ」と言われたことを機に一切食事を作る事をやめ、家庭内において食事も共にする事はなくなった。
家庭内で会話もない状態が続くなか、生活費も渡されない状況となったため、依頼者は相手方との離婚を決意し、当事務所に相談に来られた。
依頼者本人は、相手方と話し合いができる状況でないため、相手方との離婚に向けての話合いの代理をご依頼された。
【弁護士の対応】
1.受任後、速やかに相手方に受任通知を送付し、依頼者の意思を伝え、相手方の意向を示すように連絡した。また、同受任通知書発信後、依頼者は自宅を出て別居を開始した。
2.相手方にも弁護士が就き、双方弁護士間で協議が開始されたが、当方が把握している相手方名義の財産資料を当方が何度も催促しても相手方が開示せず、返答もない為、当方は協議を継続することは困難であると判断し、離婚調停と別居後の婚姻費用を求めて婚姻費用の調停を申し立てた。
【結果】
同調停においても、当初、相手方は、当方が要求する各種財産資料の提出を渋っていたが、調停委員の粘り強い説得の結果、預金通帳等退職金を除く財産資料については開示がなされた。
しかし、退職金についての資料が開示されないため、当方から財産資料についての調査嘱託の申し立てを行う等した結果、退職金額についても明らかとなり、相手方が依頼者に対し財産分与として約750万円を支払うことで離婚調停が成立した。
なお、婚姻費用については、調停は不成立となり審判に移行した結果、離婚成立まで毎月8万円の支払義務と別居後審判時までの未払婚姻費用として約100万円の支払が相手方に命じられた。
【解決のポイント】
当初、協議での解決を試みたが、相手方が財産資料の提出を拒んだ為、調停での解決となった。
調停においても、相手方が退職金の開示に応じないため、調査嘱託の申立てを行い、裁判所が同申立を認めた為、相手方の勤務先から退職金の情報を開示させることが出来た。
但し、調査嘱託は調停時においては、調査嘱託に相手が同意しない限り裁判所は認めない傾向にある。
本件では、調停委員から相手方弁護士に説得があった結果、相手方が調査嘱託には同意したため、調査嘱託が実施されたものである。
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